DeNA森敬斗内野手(19)が20日の巨人戦後、三浦大輔監督から最上級の賛辞を得た。「持っているものをすべて出してくれてる。ファンも見てる方もそうかもしれませんが、ベンチをワクワクさせてくれる選手。よくやってくれてます」。47歳の指揮官は「息子と同じ年か」と、高卒2年目の躍動に目を細めた。

森は5回1死一塁でプロ初の三塁打を放った。巨人山口からの同点打。直球を待ちながら初球フォークを中堅左へ運んだ。「うまくフォークにタイミングを合わせて、いい方向に打てた。トップが決まっていたので、ぶれずに振り抜けた」。2軍では速球への対応を課題としてきた。前日には阪神藤浪晋太郎の159キロを右前に運んだ。速球に振りまけない体勢をつくりながらも、変化球に対応。抜群の身体能力を披露した。

50メートル走5秒8の俊足だ。左方向の打球は三塁打にするのが難しいが「普通に三塁に行けるだろうと。最初から狙っていた。そこまで大きく飛んだわけじゃなかったので、転がっていくのも頭に入れながら、最初から全力でベースランニングしていたので三塁に行けたと思う」。DeNAの打者は中、長距離タイプが多く、チーム盗塁数は、ここまで12球団最少の20。「足を使って二塁打を三塁打にするのは武器になると思う」と自負する。

俊足は大自然に育まれた。静岡県出身で幼少期は「遊ぶとしたら山や川で遊んでいた」。運動会では負けなし。サッカーがさかんな地域だけに、小学校時代はサッカーでも俊足を生かして前線で活躍していたという。

高卒2年目。同年代のオリックス宮城大弥、ロッテ佐々木朗希らが活躍している。「すごいなという気持ちはあるけど、自分も負けたくない、悔しいという気持ちはある。それが気持ちを高ぶらせるというか。いい刺激をいただいている」。目標は侍ジャパンでの活躍。1歩ずつ、歩みを進めている。【斎藤直樹】