89年夏の甲子園で帝京の初優勝をエースとして支えたBC・富山の吉岡雄二監督(50)が29日、今夏限りで勇退した恩師の前田三夫監督(72)への思いを語った。「50年という長い間、監督をされてきたので寂しい思いはあります。帝京のOBはほとんどが前田さんの教え子ではないでしょうか。感慨深いところもありますが、簡単に『お疲れさまでした』という感じではないです。人生を高校野球にささげてきたことに敬意を表したいです。リスペクトしています」。

帝京入学時のことを振り返って、改めて感謝の思いも語った。「帝京に入学した時は肘を痛めていました。野球肘です。投手として入ったのですが、最初は野手をやらせてもらってから、肘がよくなった1年秋の新チームで投手になりました。初めて甲子園で優勝できたことはもちろん思い出深いですが、そういう気遣いを頂いて、投手として全国大会に行けたと思っています。指導は厳しかったですが、そこにはいつも愛情がありました。やみくもな怒られ方はされませんでした」。

今後は名誉監督となる恩師へ「年齢も年齢ですし、今まで高校野球にどっぷりつかってきたと思うので、少しはゆっくりしてほしいです。でも、まだまだ元気なので好きなことをたくさんしてほしいですね」と、思いを明かした。