低調打線を救ってくれ! ソフトバンクのリチャード内野手(22)が1日、プロ4年目で1軍初昇格を果たした。この日ペイペイドームで行われた野手指名練習に参加。「初めての1軍ではあるけど、もう4年目。結果も出さないといけない」と、丸刈り姿で気合十分だ。

育成出身の右の大砲候補だ。昨季はウエスタン・リーグで12本塁打、47打点で打撃2冠を獲得。今季も12本塁打でリーグトップを走っている。さらに東京五輪期間に行われたエキシビションマッチでは、9試合で打率2割2分6厘ながら6長打を含む2本塁打、9打点をマークした。現在チームは5試合連続3得点以下で、借金1の4位と苦しい戦いが続く。リチャードは「打点、そしてホームラン。流れを変えるようなバッティング。チームが固まってる状況での1本が雰囲気を変えたりする。元気も出す。自分の仕事はそれだと思う」と、起爆剤としての自覚を口にした。

また、右肩肩甲骨の骨折でリハビリを続けていた上林誠知外野手(26)も、6月以来3カ月ぶりに1軍に合流。ともに2日の楽天戦(ペイペイドーム)からスタメン出場する可能性が高い。工藤監督は「結果も求められるけど、まずは思い切ってやってほしい」と、若鷹コンビの背中を押した。リチャードは「明日(2日)から楽な試合は1試合もない」と語気を強める。逆転優勝を目指す勝負の9月に、フレッシュな力が流れを変える。【只松憲】

◆リチャード 1999年(平11)6月18日、沖縄県生まれ。沖縄尚学から17年育成ドラフト3位でソフトバンク入団。父は米国人、母は日本人で、兄ジョセフは米大リーグのマリナーズ傘下チームに所属。支配下登録された20年は2軍公式戦72試合に出場。12本塁打、47打点で本塁打王と打点王に輝いた。オフには師匠の西武山川らと故郷・沖縄で自主トレを行った。189センチ、119キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸660万円。