猛抗議15分間も…。ヤクルトが後味の悪い敗戦で3位に転落した。1点を追う9回1死一、二塁で代打川端は二塁へのゴロ。二塁堂上が一走西浦をタッチにいくがタッチできず、一塁送球したが川端はセーフ。ここで西浦が一、二塁間で挟まれたが、中日側は二塁に送球して遊撃京田がベースを踏んだ。本来はここでフォースアウト成立となるが塁審のジャッジはなく、この間に三塁まで進んでいた二走古賀が、本塁を狙って突っ込みアウトになった。その後、中日側のリクエストで二塁フォースアウトが認められゲームセット。

ヤクルト側からすれば最初の二塁フォースアウト時に、審判から明確なアウトのジャッジがあれば、古賀が危険を冒して本塁に突っ込む必要はなかったという主張だ。2死一、三塁で試合が継続していれば、結果は違った可能性がある。試合終了後に真っ先にベンチを飛び出した高津監督の怒りは収まらず、猛抗議したが覆ることはなかった。

普段は温厚で冷静な指揮官も顔は赤らみ、目は充血。報道陣の質問に対して食い気味に「あれはいかんね」と切り出した。すぐに「人間のやることなんで間違いはあるし…」としたが、「もうちょっとはっきりとしたジャッジをしてほしかった。大事な佳境を迎えているわけなので、引き下がれなかったですね。納得できないことだらけですよ」などとまくしたてた。

リーグ側に抗議書などを提出するかについては「終わったばかりなので何とも言えない」とした。14日から本拠地で首位阪神との2連戦を迎えるが「切り替えろと言われてもあれですけど、うーん…これから明日勝つための大事な時間を過ごしたい」と懸命に前を向いた。【鈴木正章】

■審判団が判定説明

一連の判定について審判団が取材に応じた。二塁フォースアウトのジャッジをしなかった嶋田審判は「二塁塁審としては(二塁)ベースを踏んだことは確認していない。だから、一塁走者はそのまま生きていてセーフとして。ジャッジしていないのでアウトもコールしていない」と説明。責任審判の丹波球審は「高津監督の言い分はセカンドがアウトなりセーフなり言っていたら、三塁走者はプレーを続けてなかったから、という言い分ですけど、ジャッジしていなかったらプレーが動くのは絶対なので」と話した。

◆中日与田監督(9回のランダウンプレーでのリクエストについて)「打者が一塁でセーフになって、一塁走者がフォースプレーになった。三塁走者をタッチプレーでアウトにしたが、その前に京田が(二塁)ベースを踏んだ時点で(1)アウト。そういうことです」