阪神伊藤将司投手(25)が7回2安打1失点と好投した。球団新人左腕で86年遠山以来の8勝目は次回に持ち越しとなったが「1点を先に取ってくれたので、自分のペースで投げることができました。試合はつくることができましたし、また次も頑張りたいと思います」と手応えを示した。

初回に先頭京田を内野安打で出した後は、5回まで1本の安打も許さなかった。6回に先頭の代打伊藤に二塁打を浴び、1死三塁から犠飛で同点に追いつかれても、気持ちを切らさなかった。続投した7回は4番ビシエドからわずか9球で3者凡退に抑え、直後の味方の攻撃につなげた。

持ち前の制球力で緩急も生かし、7回をリズムよく82球で投げ抜いた。四死球も3回に京田への死球だけ。「ボールを低めに集めることができていましたし、自分の投球スタイルが出せていたので、そこが試合を作ることのできた要因だと思います」。3試合連続で白星はつかなかったが、終盤戦で安心感を与えるマウンドとなった。

矢野監督も「ようよう粘った。バッテリーがこの3連戦は、よく粘って意識高めて投げてくれたと思う」とねぎらった。優勝をかけた戦いは残り26試合。「自分の登板もあと少しになってきているので、本当に1試合1試合を大事に、チームの勝ちにつながる投球ができるように投げていきたい」。開幕からローテを回り続けたルーキーが、最後まで腕を振る。【磯綾乃】