ソフトバンクが天敵退治で9月10日以来、18日ぶりの貯金生活に入った。19年5月から9連敗を喫していた西武高橋から5得点。2回にデスパイネと甲斐が、ともに2ランを浴びせるなど、19年4月21日以来、2年5カ月ぶりに高橋に土をつけた。工藤公康監督(58)も「これで波に乗ってほしいと思います」と会心の勝利だった。

高橋の縦に鋭く落ちるスライダーやフォークボールに手こずり、15試合連続で黒星を付けることができていなかった。工藤監督は「低めは見逃し三振でもしょうがないという割り切りを持って」と、対策を練っていた。その狙い通り、デスパイネはスライダーを我慢した後に、直球をバックスクリーンへ。「ゾーンに入ってくる球だけに集中していたよ」と、決勝アーチに腕まくりだ。甲斐もフォーク、スライダーと2球手を出さず、直球を左翼ホームランテラスへ運んだ。「対策を練ってやった結果かなと思います」と納得の表情を見せた。

後半戦3度目の3連勝で、直近7試合は6勝1敗と上昇気流に乗ってきた。首位ロッテには6ゲーム差で、CS圏内の3位楽天とは0・5差。指揮官は浮上に向け「選手たちはすごくしんどいと思う。だけど他のチームはもっとしんどいんだと思ってやることが次につながる。一戦必勝で頑張ってほしい」と、ナインの背中を押した。【只松憲】