最少失点で都市対抗本戦が断たれた現実を、鷺宮製作所・小孫竜二投手(24=創価大)は「1点を取られた方が負ける。1点の重みを、あらためて感じる試合になりました」と受け止めた。先発で5回5安打1失点。走者を背負っても、スライダーをまぶしながら、150キロ前後の直球で押し込んだ。ただ、5回に犠飛で1失点。それが決勝点となった。

同じ大卒2年目の福岡(早大)と真っ向勝負した。2回2死一塁。直球中心にカウント1-2としてから首を振り、再び直球を投げた。ボールとなったが、自己最速を3キロ更新する155キロ。「直球でチームに勢いを付けようと」。さらに直球中心に攻めたが、ファウル5つと粘られた。結局、四球。これが伏線となる。5回先頭、再び福岡。「直球で粘られたので」。今度は変化球を続けたが、スライダーを右翼線二塁打とされ、失点につながった。5回5安打1失点にまとめたが、援護がなかった。

敗れはしたが、成長は見せた。今年春先、制球を意識するあまり、腕の振りが弱くなり球速が142、3キロまで落ちた。ウエートや瞬発系のトレーニングと投げ込みを重ね、球の強さを取り戻した。プロ注目のドラフト候補となった。「ピンチでの精度を高め、余裕を持てるようになりたい。(ドラフトは)待つだけなので」。悔しさを受け止めつつ、成長へのテーマを掲げた。