マサタカ不在でも、ラオウがいる! オリックス杉本裕太郎外野手(30)が2回に決勝29号ソロを右翼席に放り込み、チームを明るい雰囲気にしてみせた。

ソフトバンク千賀の159キロ直球に力負けせず、流し打ちでアーチを描き「打った感触もよかったです。(吉田)正尚がケガして、ヘッド(水本コーチ)が元気なさそうだったので、これで大丈夫だと思います!」と笑顔を見せた。

試合前には激震が走っていた。前日2日に右手首付近へ死球を受けて負傷交代していた主砲の吉田正が、大阪市内の病院で「右尺骨骨折」の診断を受け、出場選手登録を抹消された。

吉田正の負傷は2カ月連続で、前回は9月3日のソフトバンク戦で左太もも裏の筋損傷を負って5日に離脱。同26日の楽天戦で1軍復帰すると、その後チームは5勝1分けで首位を奪回。ムードを高めてきただけに、無念の離脱となってしまった。

チーム一丸で乗り切るべく、先発竹安も力投。6回76球1安打無失点の好投で、今季3勝目をマーク。「正尚さんが、ああいう形で離脱されてしまって、チームの雰囲気という部分もあったので、なんとか流れを持って来れるように必死に投げました」と完璧な投球で白星に導いた。

これで引き分けを挟んで7連勝。連勝中は9月25日楽天戦(京セラドーム大阪)の山本から、山崎福、山崎颯、田嶋、宮城、山本、竹安と全て先発投手が勝ち星を記録するなど、先発陣の奮闘が目立つ。

貯金は今季最多を更新する14。残り15試合。ベンチメンバーの後藤や大下の帽子には「00(西浦)、34(吉田正)、9(大城)、10(ジョーンズ)」の背番号が記されていた。歓喜の瞬間へ、チーム全員で向かう。【真柴健】