オリックスから1位指名された東北福祉大(宮城)の最速154キロ右腕・椋木蓮投手(4年=高川学園)は少し驚いた表情で、喜んだ。「1位とは思っていなかった。すごくうれしい気持ちと同時に、体が熱くなった。1年目から活躍できる選手になりたいです」と気持ちを新たにした。

1年春からリーグ戦デビューを飾るも、2年春に右肩関節唇の診断。痛み止めを服用しながら登板を続けたが、限界を感じて、治療に専念した。完治したのは翌年の2月で、投げられない期間は亀岡八幡宮(宮城)で365段の階段ダッシュを繰り返し、下半身を徹底的に強化し「けがの期間があったからこそ、今があると思う」。大学4年間で先発、中継ぎ、抑えを経験し「どっちもやりたい気持ち。100勝、100セーブを目指していきたいです」と、大きな目標を打ち立てた。

動物好きのわんぱく少年だった。山口・山陽小野田市出身で「自分は田舎っ子ですよ。木登りとか、公園でずっと遊ぶようなアウトドア好きの子どもでした」。幼少期の夢はドルフィントレーナー。下関市にある水族館(海響館)はお気に入りの場所。イルカショーに目を輝かせていた記憶は懐かしい。3歳から水泳も始め、野球との両立に励んでいた。「週4野球、週3水泳でした。小学生の自分が一番大変だったと思う」とドラ1右腕は過去を振り返った。

亡き祖母に吉報を届けた。今年9月に母方の祖母木村勝子さんがこの世を去った。形見の指輪がついたネックレスを身に着け「プロになったよと報告したい」と笑顔だった。【佐藤究】

▽オリックス中嶋監督 (椋木は)ボールの強さがあり、スライダーの切れもある。エース候補として考えています。