今季最下位に低迷する日本ハムの栗山英樹監督(60)が、今シーズン限りで退任する意向を固めたことが、6日までに分かった。

チームは近日中にも3季連続での4位以下が確定し、クライマックスシリーズ(CS)への道も完全になくなる。次期監督候補として、東京五輪で侍ジャパン監督を務めた稲葉篤紀スポーツ・コミュニティー・オフィサー(49)ら複数の名前が挙がっており、慎重に人選を進めていく。

栗山監督は今季で就任10年目。これまで、フロントと足並みをそろえ、チームを2度のリーグ制覇に導いたほか、16年には日本一にも輝いた。今年4月には「親分」の愛称で知られた大沢啓二氏の、球団歴代最多勝利を更新。エンゼルス大谷の二刀流育成にも尽力し球団に多大な貢献をしてきたが、18年を最後にCSからは遠のいており、近年は成績が低迷していた。

今季は開幕直後から最下位を走る。主軸が軒並み不振に陥り、打撃成績はリーグワーストを記録。世代交代も、思うように進んでいない。シーズン途中には長年、中軸を担ってきた中田(現巨人)による暴力問題が発生し、たびたび自身の責任を口にしていた。この日のオリックス戦(京セラドーム大阪)前、今後の去就について取材に応じた指揮官は「時期が来たら、きちんとしゃべるから」と話すにとどめた。監督未経験からスタートした日本ハムでの監督生活。北海道に居を構え、先頭に立って地域に愛されるチーム作りに励んできた指揮官は、愛着あるユニホームを脱ぐ決意を固めた。

◆栗山英樹(くりやま・ひでき)1961年(昭36)4月26日生まれ、東京都出身。創価から東京学芸大を経て、83年ドラフト外でヤクルト入団。88年には、規定打席不足ながら3割3分1厘の高打率を残す。89年に外野手でゴールデングラブ賞獲得。通算494試合、336安打、7本塁打、67打点、打率2割7分9厘。現役時代は174センチ、72キロ。右投げ両打ち。90年に引退後はスポーツキャスター、大学講師などを務め、12年から日本ハム監督。