大丈夫なのか-。不安視する声を、ロッテ佐々木朗希投手(19)はプレーボール直後から一蹴した。

前回対決で1発を浴びた楽天の1番山崎剛に、154キロから入る。157キロを続け、2球連続ファウル。ボール球を使わず、142キロフォークを落として空振り三振。これまでと変わらぬ球威だった。

腰の状態は? 登板前日の6日、質問への答えはひと言だった。

「大丈夫です」

9月23日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)で予告先発となっていたが、当日に腰の張りで登板を回避した。その後、2軍での調整が続いた。実戦マウンドは9月10日以来。その間のブルペン投球の様子も、チーム関係者しか立ち会っていない。本人は「実戦的なところは分からないですけど、キャッチボールやブルペンではそんなに悪くないかなと」と話した。さて、どんな球を-。

集まる注目に“問題なし”と言わんばかりに投げ続けた。3番浅村の初球にプロ入り後最速タイの158キロ。初回は直球を9球投げ、平均球速は156・6キロ。前回登板よりも約1キロ速くなった。

本人が「実戦的なところ」と話す部分では2回1死、追い込んでからの直球が甘く、鈴木大に同点弾を浴びた。4回には捕逸も絡んで2失点目。7回には投ゴロを一塁に悪送球し、ピンチを招いた。井口資仁監督(46)も「いろいろ課題はありますけど」としながら「しっかりゲームは作ってくれたと思います」と、復帰戦での7回2失点に一定の評価。佐々木朗本人も野手に感謝しながら「最低限の仕事はできたかなと思います」と振り返った。

シーズンは残り16試合。翌週には8連戦もあり、シビアさもさらに増す。井口監督は5日時点で佐々木朗について「残りはしっかりと週1回投げることになると思うので」と話しており、リカバリー次第では次回は中6日の登板もある。この先は、最低限ではなく“文句なし”が求められる段階だ。まずはこの夜、逆転Vへの戦力として名乗りを上げた。【金子真仁】