西武が、12球団で最初に今年のドラフト1位指名選手を公表した。8日、編成会議(場所非公開)を開催。リモート取材に応じた渡辺久信GM(56)が、西日本工大の最速150キロ左腕・隅田知一郎投手(4年=波佐見)を1位指名することを明言した。「今のうちの戦力を鑑みた中で、このピッチャーしかいないなというところ。リストに挙がった選手の中では1番の評価。これは満場一致の評価で、ポテンシャルの高さもありますし、ゲームをしっかり支配できる」と評価を語った。

左の先発が最大の補強ポイントになる。今季、先発左腕での勝利は39歳の内海とプロ2年目の浜屋のみ。渡辺GMは「左の先発ローテーションに入っているピッチャーがいないですし、彼の実力で普通に投げれば戦力になると思っての指名」。今季チーム防御率、総失点はいずれもリーグワースト。投手陣の底上げが急務で、即戦力のローテ候補として指名する。

3日の福岡・飯塚で行われたリーグ戦最終登板を現地で視察し、最終チェック。「ランナー出したときでもしっかりそこを切り抜けるすべを持っている。ピッチングができる投手なので、そういうところの相応的な評価で彼に決めました」と、この日の会議でゴーサインが出た。西武が事前のドラフト1位を公表したのは、19年佐々木朗希投手(現ロッテ)以来2年ぶり。戦略的な公表とみられるが「その理由は言う必要はないと思っている」とけむに巻いた。ドラフト全体でも、投手の指名に比重がかかるとみられる。