エースの奮闘が、悲願Vに導く。9日ソフトバンク戦(ペイペイドーム)に先発予定のオリックス山本由伸投手(23)が、自身14連勝&今季17勝目を狙う。

「記録に対しての意識は全然ないです。とにかくチームがいい順位なので、勝ちにこだわってやっていきたい」

登板する度に白星を積み重ね、現在16勝。5月28日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)から自身13連勝中で、通算350勝投手の米田が阪急時代の73年に樹立した14連勝の球団記録に挑む。連勝期間の1試合のワースト失点は2で「安定感がだいぶ出てきている。自信は前より少しずつついている」と手応えを感じている。防御率1・42、182奪三振もリーグトップを独走中で「投手3冠」は決定的だ。

今季3完封はすべてソフトバンクが相手で、5勝を稼いでいる。それでも「1発を打てるバッターがすごく多く、足の速い打者も多い」と、慢心なく警戒する。勝てば8年ぶりに今季のソフトバンク戦の勝ち越しが決定する。最短で12日にマジックが点灯する可能性があり、14年以来7年ぶりのCS進出は目前。高卒5年目の山本は初めて経験するV争いに「順位もすごくいいので、自分の成長にもつながる。楽しみがすごく大きい」と胸を躍らす。

東京五輪金メダル獲得に大きく貢献した右腕は「とにかく投げる試合、全部勝つ気持ちで準備。試合終了のときに勝ち切れるように投げていきたい」と歓喜を目指して、腕を振る。【真柴健】