3季連続のBクラスが確定した日本ハムは16日、12年から指揮を執る栗山英樹監督(60)が、今シーズン限りで退任すると発表した。

この日、栗山監督は、全体練習前に、選手、スタッフを集めて退任を報告。オリックス戦(札幌ドーム)後には「こういう状況になってしまって責任を感じています」と話した。退任会見は、全日程終了後に行う予定。球団は水面下で、後任の人選を進めている。

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10年の長期政権が、終わろうとしている。全体練習前の札幌ドーム。中堅付近に出来た輪の中心で、日本ハム栗山監督は選手やスタッフを前に、深々と頭を下げた。前日15日に3季連続のBクラスが確定したばかり。「『今日から来年は始まっている。しっかりやれ』と伝えた。チームとしての方針をしっかり示さないといけなくて」。指揮官の目は潤み、選手たちは神妙な表情で、監督の一言一句に耳を傾けた。

今季は主力が軒並み打撃不振に陥り、開幕直後から最下位に沈んだ。今月7日には、優勝の可能性が完全消滅。この日、退任を発表した後のオリックス戦後、栗山監督は「こういう状況になっていることに責任を感じています。ただ、ファイターズのユニホームを着させてもらったことに、感謝しています」と、言葉を紡いだ。

12年に指導者の経験がないまま、日本ハムの監督に。特筆すべきは、エンゼルス大谷の投打二刀流育成で、常識にとらわれない発想や戦術は、球界に新風を送り込んだ。吉村ゼネラルマネジャー(GM)は「一貫して選手のためを考える姿勢は、まったくブレたことがない」と評価。フロントと足並みをそろえ、チームを2度のリーグ制覇に導いたほか、16年には日本一に輝いた。ただ、18年を最後にクライマックスシリーズ(CS)出場からは遠のいており、近年は成績が低迷していた。

10年を一区切りとし、もともと、今季で契約満了の予定だったという。川村球団社長は「成績低迷が理由ではない」とし、今後については「なにがしかの形で、チームに関わっていただきたいなと思っている」。球団は水面下で後任の人選を進めており、同社長は「準備はしておりますけども、まだ話せる段階ではありません」と話すにとどめた。【中島宙恵】

◆栗山英樹(くりやま・ひでき)1961年(昭36)4月26日、東京都生まれ。創価高-東京学芸大。83年ドラフト外でヤクルト入団。プロ1年目の秋にスイッチヒッターに転向し3年目に打率3割をマーク。89年に外野手でゴールデングラブ賞獲得。通算成績は494試合、1204打数336安打、7本塁打、67打点、打率2割7分9厘。90年に引退後はスポーツキャスター、大学講師などを務め、11年11月に日本ハム監督就任。12年にリーグ優勝、16年に日本一に輝き、同年オフに正力松太郎賞を受賞。