DeNA牧秀悟内野手が、またもセ・リーグ新記録を達成した。

2回の右前打を皮切りに、左前打、左翼線二塁打を2本。今季は新人初のサイクル安打も達成したが、4度目の1試合4安打。セ初でプロ野球では新人67年ぶりだ。「4番を打たせてもらっているので、好機では打たないといけない。結果を出し続けないといけない。今いい感じで打てている」。二塁打32本はセ新人2位タイに浮上した。

打率は3割8厘まで上昇。残り2試合で13打数無安打でも3割を維持できるため、史上4人目の新人で3割20本は確実だ。「一番目標にしていた3割で終わるのはすごくいい。まだまだ上がるチャンスはあるので、残り2試合で少しでも上げられるように」と、意気込んだ。

開幕前にボールの見方を田代巡回打撃コーチから教わった。「眉間にしわを寄せて集中して見過ぎないように」。牧は「見過ぎると力が入るので、リラックスできる」と話していた。だが、21日の練習で衝撃の事実が発覚。田代コーチが「ちょっとしわを寄せて見るだけで、集中力の違いが出てくるのよ。俺はしわを寄せろと言ったんだ」。牧の言葉を知ると「理解力ねえな、あいつ。逆にね。良かったかもしれない」と笑い飛ばした。おおらかな指導の下で、規格外の成績を残している。【斎藤直樹】

▼牧が今季4度目の4安打。新人で4安打以上を4度記録したのは46年森下(パシフィック)4度、50年蔭山(南海)5度、54年河野(阪急)4度に次いで67年ぶり4人目となり、セ・リーグの新人では初めて。猛打賞は13度目で、新人の猛打賞回数では19年近本(阪神)ら4人に並び2位タイ。58年長嶋(巨人)がつくった14度の最多記録へあと1度と迫った。