最後は得意のシュートでバットを粉砕した。今季限りの引退を表明している巨人大竹寛投手(38)が、2点を追う8回に5番手で、208日ぶりに1軍マウンドに立った。

ヤクルトのサンタナへ内角シュートを4球続け、カウント2-2からこの日最速タイの139キロシュートでバットを折り、遊ゴロに仕留めた。アウトを確認するとグラブをパンとたたき笑顔で喜んだ。

マウンドに直々に歩み寄った原監督は、肩を抱き寄せて、たたえた。ベンチで前のめりになって見守ったナインは、ベンチ前に出て、大竹の体をパンパンとたたいてねぎらった。大竹は笑顔でベンチに駆けていった。

試合前には円陣の声出し役を務めた。チームは前日23日にCS進出を決めていた。「今日、僕に投げられるチャンスを頂きまして、本当にありがとうございます!20年の思いを込めて今日、腕を精いっぱい振ります!そして明日からはもうラーメンを食べて、スープを飲みきって、そういうのも出来ます!僕は最後ですが、みんなにはCSに勝ち進んでもらって、日本一になる姿が見たいです。応援してます。今日も勝ってCS行きましょう!」と、ジョーク混じりで仲間を鼓舞していた。

試合には惜敗した。今季最終戦となった試合後には、チーム全員で左翼席の巨人ファンにあいさつを行った。その後、大竹は仲間に胴上げされると、球場全体から拍手が起こった。