オリックスのリーグ優勝をパ・リーグゆかりの日刊スポーツ評論家陣が祝福した。08~11年に日本ハム監督を務めた梨田昌孝氏(68)は、兼任コーチで一緒に戦った中嶋監督の眼力を評価した。

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私が日本ハム監督だった当時、ダルビッシュ-鶴岡のバッテリーで調子が出ないことがあって、当時選手兼バッテリーコーチだった中嶋が「大野を使ってみませんか?」と進言してきたことがあった。常に捕手の視点で、状況をよく考えながら試合を見ていたし、指導にも辛抱強さが感じられた。その成功例が、杉本だったのではないだろうか。

楽天を率いた17年9月9日、仙台でのオリックス戦で、先発の辛島が杉本に浴びた手痛いバックスクリーンへの本塁打を覚えている。それがプロ初安打、初本塁打、初打点。粗いタイプだけど、ツボをもっていたし、中嶋監督が自信をつけさせて主力に導いた。

また福田をセンターに、宗を外野から三塁にもってくるなど、シャッフルが的中。紅林も含めて若手起用の思い切りが結果につながったし、メンバーを固定して戦えた。山本と宮城が投手陣の軸だったが、登板間隔を配慮し、無理をさせずに乗り切った。交流戦で優勝したことで勢いがついて軌道に乗り、試合を重ねながら強くなった。