今季限りで退任する日本ハム栗山英樹監督(60)が、10年間の監督生活にピリオドを打った。ロッテ25回戦(ZOZOマリン)を5-3で勝利。5位でラストシーズンを終えた。

栗山監督 今から監督じゃないんだよ。やばいね。

11年オフに大役を引き受け、選手のために尽くし続けてきた。最後の試合も同じだ。チームの勝利はもちろん、伊藤の10勝目、西川の盗塁王、玉井の50試合登板など。指揮官として、各選手が来季につながる何かを手にするために、最後まで必死にタクトを振った。「唯一、ジェームス(野村)に100安打を打たせてあげられなかったくらい」と苦笑いも、監督通算1410試合目の公式戦は有終の美を飾った。

試合前から敵地ながら温かい雰囲気だった。試合前練習を終えて引き揚げる栗山監督にスタンドから自然と拍手が起き、手を振って応えた。スタメン発表時も、試合後も。最後はベンチ裏につながる通路で待っていた選手、首脳陣、スタッフらが拍手で出迎えた。

試合後は、やや目が腫れているようにも見えた。

栗山監督 (選手やスタッフら)みんなオレのところに来て泣くから、オレも泣くだろ…。泣いてない。絶対泣かないって決めたから。泣いてないんだ。もらい泣きしただけだから…。

この日、11号ソロを放った近藤はホームランボールを回収。栗山監督へ打ったバットとともにプレゼントしたという。「宝物にします」と話した栗山監督は最後にぽつりと言った。

栗山監督 監督を今日辞めて、これで仲間になれるんで。一緒に飯も食えるだろうし、彼ら野球大好きな人たちと野球の話ができるっていうのが一番幸せ。

一時代を築いた名将が、背負ってきた大きな責任を、ひとまず、降ろした。【木下大輔】