DeNA仁志敏久2軍監督(50)が、就任1年目の取り組みを振り返った。みやざきフェニックスリーグを終えて取材対応。「ファームの組織づくりは、かなりいいものができたと思う。僕個人がすごく得をした」と満足そうに語った。選手に主体性が生まれるよう、チームを運営してきたと明かした。

現役引退後は、米国のメジャーリーグのキャンプに自費で研修に行っていた経験がある。今季は初めてプロ野球チームの指導者に就任した。「コーチとも共有しながら、選手だけにゲームを任せた日もあった。フェニックスはコーチ陣にゲームを任せたこともあった。僕はやってみたいことでもあった。とにかく選手たちが主体になって自分たちの考えで行動して、自分たちで判断して決断する選手を目指させたという取り組みは随時行って来た」。就任以来「考える」ことを選手に課すと宣言していた。それを実践。手応えをつかんだ。

7月、高卒プロ2年目の森敬斗内野手(19)が1軍に昇格した。2軍では69試合で2割5分5厘、6本塁打、29打点、16盗塁だったが、1軍では44試合で打率1割9分4厘、0本塁打、5打点、4盗塁だった。「1軍で使ってみたら、ファンの皆さんの反応を見ると、非常に面白みを感じて、期待をして森を見てもらえた。ただ、安定的に活躍するために、やることはまだまだ山積みというか山盛りある。それをクリアした時にどんな森敬斗が待っているのかを楽しみにしてもらいたい」と話した。

仁志監督が森にかける期待は大きい。「ただのレギュラーではだめ。日本を代表する選手にならないといけない。1軍に行っただけでは、レギュラーになっただけでは完成ではない。誰もがスーパースターと認めて、森のような選手になりたいと思われる選手になって、初めてスタートラインに立ったと感じてほしい」。プレーを間近で見ていた半年で、俊足、強肩に、スターになれる素質を感じとっていた。この秋、2軍から送り込んだホープのさらなる成長を願った。【斎藤直樹】