10年にわたり日本ハムの指揮を執った栗山英樹監督(60)が1日、札幌ドームで退任会見を行い、ファンや関係者へ感謝した。

栗山監督の一問一答は以下の通り。

-どんな10年間だった

栗山監督 ほんとに大好きな野球をこの年まで全力で必死になれたっていう、こんなに幸せなことはない。ただ、応援してくださるファンの皆さんになかなか勝って喜ぶとか優勝して喜ぶことが、僕が思ってたよりうまくいかなくて、本当にすいませんということしか言いようがない10年間です。

-選手と向き合う中で大切にしていたこと

栗山監督 どういう表現がいいのか分かりませんけども、片思いをし続けるということで、相手がどう思うか一切関係ないし、嫌われる怖さっていうのは本能として人は持ってると思うんですけど、嫌われて当然と思ってやっていたつもりではある。自分の感情を横に常に置き続ける、感情が揺らがないっていうことはないと思うんですけど、全てその瞬間その瞬間に自分の感情は横に置くって作業はしてたつもりではある。

-10年間で印象に残っている試合は

栗山監督 いっぱいありますね。(12年)開幕戦の斎藤のピッチングから始まって、その前にバッター全員集めて開幕を前に頼むなって。勝つんだって言ったときの選手の言葉だったり雰囲気だったり。そこから始まって2年目最下位に沈んで、負け続けているときに、あんまりちょっと人の名前ってあまり出したくないんですけど、9連敗しているときに(杉谷)拳士とエレベーターであったとき、「監督、元気出してくださいよ」ってすごい申し訳なさそうに気遣って言っている姿を見たときに、ほんとに頑張んなきゃって思った。そういう試合を挙げるとほんとキリがない。

-これからは野球を考えなくても許される日々がくる

栗山監督 それはそういう感じじゃないですね。昨日も夜ずっとノート書いてました。何で俺これ今年負けたのかなみたいな。もっとやり方あったろうって書いてたんですけど、たぶん意味がないですね。でもなんかね、それは続きますね。無駄な抵抗ですけど。もっと野球を知りたいし、もっと選手たちを喜ばしてあげられる方法を見つけたい。野球を考えない感じは全然ないなって感じです。

-大谷の行き先にどんな道が見えていた

栗山監督 今でもこういうイメージというのは自分では持ってるんだけど、その途中というか、まだこうなってほしいというところにいくには、まだ全然途中。ほんとに冗談じゃなく、世界一の選手になるって信じていたので、それがどういう選手かっていうのは、まだまだいろんなイメージがあると思います。

-斎藤佑樹と同じ年にユニホームを脱ぐ

栗山監督 ほんとに斎藤佑樹の人生の章はこれからだなっていうのは以前言った通りなんだけど、佑樹にはかわいそうだったですけど、悪いけど苦しむ姿を見せる責任があるんだと、それは他の選手と違う部分があって、背負わせましたけど、ほんとに逆に言えば佑樹の強さだったり頑張りっていうのはすごいものがあった。

-栗山監督の持っている夢は

栗山監督 このチームが世界一のチームになるって言ってきたのに、ちょっとここ何年か苦しんでいる。2023年には新球場にもなりますし、僕が元気なうちにやっぱり日本のファイターズは日本一じゃなくて世界一だよねっていうチームになってくれることが、僕にとっては一番の大きな夢。

-引き続き栗山町に住む

栗山監督 たぶんそうですね。また何かやりたいことが見つかったら違うところに行くのかもしれないけど、見つかるまでは、はい。

-野球を愛する全てのファンへメッセージ

栗山監督 1年目の必死な感じっていうのを10年間、続けてきたつもりです。ただ自分に能力がなくてここ数年、なかなかいい報告ができなかった。それは選手に言いましたけど、僕の能力のなさを、ほんと勘弁してくれと。ただ誰よりも野球が好きで野球を愛して、みんなと野球を楽しもうと思ってね。楽しむためには勝たないと楽しくない。必死になった10年間でした。これからファイターズはほんとに強くなっていくはずだし、2023年に夢のような球場ができて野球を大きく変えてくれるはず。

-監督はよく、やりきると話していた。この10年間はやりきることができた

栗山監督 本当に野球のことしか考えていなかった。こんな10年間は自分の中でなかった。やりきれたか? って言われちゃうと、野球は勝たないと面白くないし、勝てないとうまくならない部分もあるので、そこに関しては、選手には悪かったなって思うんで、やりきったとはいえない。やりきれましたかって聞かれたら、全然やりきれてないことが頭にある。だから今日も考えている。でもそれでいいなって、終わったー、俺野球終わったーってならない自分がいてくれることにホッとしている。それでいいんだって思っている。

-清宮や吉田などの若手と会わずに退任となったが、メッセージは

栗山監督 何か変に、感情に訴えてこうしろって言うよりも、あえて会わない形がすごくいい。今日も今から(1軍マネジャーの)枳穀たちが向こうに行くから。伝えてくれってことは伝えた。結果を出さなかったらこうなるんだっていうところは、彼らも感じていてほしい。そんな甘い世界じゃないんで。まあ、いつか声をかけるチャンスはいっぱいある。

-お酒の量は

栗山監督 酒はまだ体が無理だな。酒飲むと体が疲弊しちゃうので、それくらい疲弊してるんだと思う。もう少ししたらきっと飲めるようになるね。いいよ、もう俺のこと気にしなくていい。それよりもほんと次の新体制に向かって、俺、短い野球人生でほんと5回も監督代わってるから、監督代わる感じって自分ではわかってるので。だからうちの選手たちは慣れてないけど、変わればいろんないいものも出てくるし、逆に代えればいいってもんでもないっていうのもわかってるつもりだし。でも、とにかくほんとに純粋な子たちだから、勝たせてあげてほしいなって、それだけかな。本当に長い間ありがとうございました。

日本ハムニュース一覧はこちら―>