悔しさをぶつけろ! 阪神矢野燿大監督(52)が球団初の下克上日本一の実現へ、大山悠輔内野手(26)、梅野隆太郎捕手(30)に猛烈ゲキを飛ばした。前半戦の快進撃に貢献しながら、打撃不振などで2人はシーズン終盤に出番が激減。3日からアマチュア相手に3試合の練習試合が組まれており、指揮官は再びポジションを奪い取るためのアピールを求めた。

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矢野監督がチームの骨格となるべき2人の主力に、厳しい言葉で奮起を促した。前半戦の快進撃に貢献しながら、シーズン終盤に出番が激減した大山、そして梅野に対してだ。「悔しさをパワーに変えて、自分自身成長していけるのか。本人次第もあるけれど、与えるっていうところじゃない。奪い取っていくしかない」。巨人とのCSファーストステージを目前に、3日からアマチュア相手に練習試合が組まれている。CS本番でポジションを与えて復調を待つのではなく、結果を求めた。

大山は背中の張りなど負傷もあり、次第に打撃の調子を落とした。この日、甲子園で行われた全体練習で矢野監督はフリー打撃をチェック。「打撃練習ではいい感じで打てている。その中で実戦をやっていって、そのままやっていけるというふうになるのか」と、結果、内容の両方を注目する。

梅野は10月10日ヤクルト戦を最後にスタメンマスクがない。9月の月間打率は1割5分9厘とバットが湿り、リーグ最終戦まで11戦連続スタメンの坂本に正捕手を奪われた形となっている。指揮官は「ライバルが出てきたり、ケガしたり、調子が下がったりしていく中で、捕手のポジションは1個しかない。若いうちは与えて出られることもあるが、そういうチーム事情ではなくなってきている。リュウ(梅野)もそういう位置にいると思う。悔しさをぶつけるしかない」とゲキを飛ばした。

3日は三菱自動車倉敷オーシャンズ、4日は大和高田クラブが相手で、プロ1軍対社会人の異例の練習試合は、大山、梅野にとって大事な実戦となる。CS初戦前日の5日には、NTT西日本と2軍の練習試合が鳴尾浜で行われる。そこでの最終調整も可能となる。今季大山は93試合で4番を張った。梅野は125試合で先発マスクをかぶった。巨人&ヤクルト撃破、そして球団初の下克上日本一へ。2人の力は必要不可欠だ。【石橋隆雄】

〇…矢野監督は、今季限りで引退するロッテ鳥谷をねぎらった。現役時代に7シーズンともにプレー。監督と選手としても1シーズン戦った。「ロッテの2年もトリの中では、すごく大きな挑戦と学びというか、多かったんじゃないかと客観的には思っている」と、違うチーム、リーグでの経験がプラスになると話した。「タイガースの歴史の中で名前を残すことができた部分もあると思う。これからもトリしかできないところに挑戦していくのかな」と、新たな活躍を期待した。