番長監督の「遊んでおいた方がいい」に、まさかのステイホーム宣言だ。DeNAからドラフト1位指名された市和歌山・小園健太投手(18)が6日、和歌山市内のホテルで仮契約した。契約金は1億円で年俸は1320万円(金額は推定)。

進藤編成部長、河原スカウティングディレクター、担当の安部スカウトが同席したが、サプライズで三浦大輔監督(47)が登場した。

リーゼントにスーツ姿の三浦監督が、新幹線と特急くろしおを乗り継いで、横浜から和歌山にやってきた。緊張する小園を前に、三浦監督が問い掛けた「ゆっくりできてるの?」。小園が「練習は毎日しています」と回答すると、三浦監督は「遊べるうちに遊んでおいた方がいいよ」とすすめた。

そこには「オンとオフ。24時間(野球は)できないし、逆にパフォーマンスが落ちる。やる時はやる、遊ぶ時は遊ぶ」という意図が隠されている。「この期間は一番楽しい時間でしょう。高校野球が終わって、プロ入りが決まって」。三浦監督自身は、高田商(奈良)時代のドラフト指名後には「宿題や課題がたくさんあった」と、卒業を確定させるため、遊ぶ時間を確保できなかった。「僕と違って勉強もできる」という小園には、どうしても練習に追われる入寮後を見越した助言だった。

高校時代、毎朝5時起きで練習に通っていた真面目な小園は、意外な告白をした。「遊ぶのが好きではない。家にいるのが好きなので」とインドア派を宣言。趣味は「ワイルドスピード」がお気に入りという映画観賞で「進撃の巨人」などアニメも好きだ。たまに買い物に出掛ける程度で十分だという。「それなりに楽しんでやっています」と、淡々と答えた。

小園は今後を見据えて言った。「高校野球と違って野球が仕事になる。初心を忘れず、今の気持ちを大事にやっていければ」。1年目から1軍昇格を目指していく。【斎藤直樹】