阪神高橋遥人投手(25)が、大一番でついに捉えられた。粘りは見せたが6回6安打3失点で黒星。「大事な1戦目を任せていただきましたが、早い段階でマウンドを降りる形になり申し訳ないです」。今季リーグ戦では巨人相手に16イニング連続無失点と圧倒したが、無双は続かなかった。

初回から3イニング連続3者凡退と、立ち上がりは快投の予感を漂わせた。しかし相手先発の菅野も4回まで完全投球。味方の援護がないまま、5回1死二塁から中島、吉川尚に連打を浴びて先制点を献上。21イニング目にして、今季の巨人戦で初失点を喫した。

6回は2死を奪った後、坂本の左前打と丸への四球でピンチを広げ、ウィーラーに中堅フェンス直撃の2点適時二塁打を献上。矢野監督は「2アウトから点を取られたこと以外は、遥人はしっかり行ってくれたというところはある」と振り返った。最後の失点を反省点に挙げながらも、マウンドで踏ん張った左腕を認めた。

リーグ最終登板だった10月21日中日戦(甲子園)を左肘の違和感で途中降板し、中15日でのぶっつけ本番。9月上旬に1軍復帰してから快投でチームを救ってきたが、この日は巨人打線につかまった。【磯綾乃】

▼阪神は初戦黒星で一気に窮地に立った。07年に始まったセCSファーストステージ13度(昨年は開催なし)のうち、初戦●から逆転でファイナルステージに勝ち上がったのは09年中日と17年DeNAの2度のみ。確率は15%に過ぎない。阪神は黒星スタートの07、08、10、13、15年と5度とも敗退しており、ここから巻き返してファイナルステージに進めば初となる。