ソフトバンク藤本博史監督が、理想の外国人選手像として「バナザード」の名前を挙げた。58歳の誕生日を迎えた8日は宮崎キャンプはオフで、来季4番にどっしり据えたい助っ人について言及。「まずは右の大砲がほしい。しっかり打ったら走れる、全力疾走できる外国人がいい」とした。

就任してから常々「打線のつながり」を口にする。外国人打者にも望むのは、確実性と献身性で「内野ゴロを打って、たらたら走る外国人はいらない。ホームランが打てるとしても、打線のつながりを考えたらね」ときっぱり。そこで出た理想像が、3割20本塁打に近い成績を安定して残し、真面目なプレーに定評のあった南海、ダイエー時代の同僚バナザードだった。

今季在籍した外国人野手では既にバレンティンとアルバレスが退団。グラシアルとデスパイネについて、指揮官は「グラシアルはけがさえ治れば一番使いやすい。デスパイネも凡打しても一生懸命走っていた」と評価する一方、去就が未定で退団の可能性もある。バナザードは両打ちだったが、藤本監督が求める助っ人は柳田ら主力左打者との兼ね合いも考えて右打ちだ。求める“バナザード系”を補強できれば、新監督にとってこの上ないプレゼントとなる。【山本大地】

◆トニー・バナザード 1956年8月24日生まれ、プエルトリコ出身。内野手で主に二塁を守った。79年にエクスポズ入りし、メジャーで1000試合以上に出場。88年に南海入りし、1年目はリーグ4位の打率3割1分5厘で、20本塁打。ダイエーとなった89、90年までプレー。91年にタイガースでメジャー復帰し、同年に現役引退。右投げ両打ち。現役時代は175センチ、72キロ。