ヤクルトが巨人と引き分け、6年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。

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ヤクルトの雰囲気は、高津臣吾監督(52)が、就任後から積み上げてきたものの結集だ。19年10月の就任会見で「しっかり話し合いができる、やりやすい環境をつくるのが僕の仕事。しっかり準備できて、目の前のプレーに集中できる、打席、マウンドに集中できる環境作りを全力でやっていきたい」と明かした指針が、2年を経て実っているように見える。

CSファイナルの試合前練習にも、指揮官の思いが表れていた。全体練習よりも早くグラウンドで体を動かし、打撃練習をした選手たちは全体練習ではフリー打撃に入らない。守備や走塁、犠打など、それぞれが課題と向き合っていた。

第3戦の試合前練習では、通常は2つ設置されるホームチームのフリー打撃のケージが1つのみ。長いシーズンを戦い、さらにCSファイナルという緊張感のある舞台、日本シリーズ進出も見据えて、選手の体調に配慮してのこと。第2戦以降は試合直前のシートノックも行われなかった。

もちろん愛のムチはあるが、選手を叱責(しっせき)したコーチを高津監督がいさめたこともあると聞く。就任1年目から着々と作り上げてきた土台があるからこそ、選手たちが伸び伸びとプレーできている。それは、ヤクルトベンチの雰囲気がよく表している。【19、20年ヤクルト担当=保坂恭子】

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