6年前の忘れ物を、日本シリーズに取りに行く。ヤクルトの“代打の神様”川端慎吾内野手(34)が、1打に悔しさをぶつける。

16日、神宮で全体練習が行われ、シート打撃などで調整した。川端は、石川から右前に安打性の強い当たりを放つなど、状態の良さをうかがわせた。12日のCSファイナルで巨人に勝利。日本シリーズ進出を決めて最初に思い出したのは、悔しさだった。「やっぱり勝てなかったので、今度こそは」と日本一を胸に誓った。6年前の日本シリーズは「2番・三塁」で全5試合にスタメン出場。しかし「フワフワしていて、地に足をつけてできなかった。僕自身、何もできなかった」と打率1割6分7厘だった。

腰のケガなど苦難を乗り越えた今季は、代打の神様と言われ「そう呼ばれることはうれしい」と爽やかに笑う。代打で82打数30安打、1本塁打を放ち打率3割6分6厘と脅威の数字を残した。試行錯誤の末に打撃フォームを大幅に修正。「1打席しかないので、初球から合うように」と動作はシンプルを極め、どんな球にも対応する。大舞台の緊張に負けた自分は、もういない。「前回より落ち着いてプレーできると思う」。磨き上げた勝負強い打撃で挑む。【保坂恭子】

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