ヤクルトは、サヨナラ負けの悔しさを第2戦以降につなげる。

9回に2点差を追いつかれ、3-3でなおも無死一、二塁、オリックス吉田正尚外野手(28)の打球が、前進守備を敷いていたヤクルト塩見泰隆外野手(28)の頭上を越えた。ベンチで座って状況を見ていた高津臣吾監督(52)は、微動だにせず。オリックスの選手たちが歓喜する光景を目に焼き付けるように、ポジションに立ちつくす選手もいた。日本シリーズという最高の舞台での悔しい経験は、必ずこれからの糧になるはずだ。

サヨナラの場面を、村上宗隆内野手(21)は三塁から見つめた。日本シリーズ開幕前に対戦が「楽しみ」と話していたのが、サヨナラ打を放ったオリックス吉田正だった。19年に初選出されたオールスターのホームラン競争で対戦。敗れはしたが、バットを譲り受けるなど交流につながった。

今年の東京五輪では、チームメートとしてともに戦い金メダルを獲得。「試合の中で修正する力だったり、1打席目に凡退した結果をふまえて2打席目にいったりとか、そういったところがすごいなと感じました」と同じ左打者として刺激を受けた。

日本一をかけての舞台でも「サードから見て、いいところは吸収できればなと思います」と貪欲に学ぶ姿勢だ。第1戦で、村上はレギュラーシーズン中の10月13日の中日戦(バンテリン)以来となる“ポストシーズン第1号”の2ランをマーク。打撃好調を印象づけた。悔しさを胸に、チームを勝利へと導く。

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