第1戦でオリックスが劇的にサヨナラ勝ちした余韻が、京セラドーム大阪に残っていた。モヤらがフリー打撃を行う中、午後3時に各ゲートが開き、ファンがスタンドに入ってきた。

三塁側に置かれた打撃ケージの裏でチームメートの練習を見守る吉田正に近づいたのは、ヤクルト村上。ともに東京五輪で金メダルを獲得した侍ジャパンのチームメートだ。前日20日の第1戦では、8回に村上が勝ち越しの2ラン。セ・リーグ本塁打王のアーチが決勝弾になりかけたが、吉田正がそうはさせなかった。2点を追った9回、宗の同点打に続いてサヨナラ打を放った。ぼうぜんとした表情で三塁側ベンチに引き揚げるスワローズの主砲の表情を、場内のテレビカメラが追っていた。

激闘を終え、2人は静かに言葉をかわした。プレーボールは午後6時。第2戦で笑うのは、吉田正か、村上か。