ラオウにも出た! オリックス杉本裕太郎外野手(30)が日本シリーズ初安打を放った。

2回先頭で迎えた第1打席、ヤクルト高橋の低めチェンジアップをはじき返した。打球が左翼で弾むのを見届けると、一塁ベース上で右膝と右肘をつけてピースサイン。後ろを打つ助っ人の決めポーズ「ラベロハンドシェイク」拝借し、喜びを表した。

前日20日の第1戦。チームは逆転サヨナラ勝ちを収めたが、杉本は4打数無安打3三振に終わっていた。「甘い球が来なかったですね。みんなすごいので自分も負けないようにしたい。正尚は今日とらえていたので(9回は)打つやろなと思って見ていました」。前夜は青学大の後輩で3、4番コンビを組む吉田正が、劇的勝利の立役者。刺激を受けないはずがない。

この日の試合前練習は、室内練習場で一心に振り込んだ。状態を上げたい時に行う調整法。室内はネットがあるため狭く、打球が遠くまで飛んだかが分からない。だからこそ、大振りせずにコンタクトを意識することができる。浮足立たず、しっかり自分と向き合った。

日本一を目指す戦いで初めて「H」ランプをともすと、4回の第2打席では外低めのチェンジアップに食らいついた。バットの先に当てた打球は二遊間へ転がったが、全力疾走で内野安打とした。「昇天ポーズ」で沸かせ、リーグVの立役者となった本塁打王。大舞台を盛り上げるためにも、本塁打王の活躍は欠かせない。【磯綾乃】

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