新人野手でプロ野球史上最高の評価を得た。DeNA牧秀悟内野手(23)が16日、横浜市で契約更改交渉に臨み、年俸7000万円でサインした。2年目の野手では20年近本(阪神)の4500万円を更新する史上最高額。投手を含めても和田(ダイエー)に次ぎ、松坂、菅野(巨人)と並ぶ歴代2位となった。また1300万円から438%の昇給率も、00年松坂大輔投手(西武)と並ぶ新人史上最高だ。

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内角球のさばきが抜群の牧も、7000万円の金額に思わず差し込まれた。「うおっと」。予想は「5000万円もらえればというぐらい」。2000万円も差額があり「びっくりしたのが一番です。全然、想像以上でした」。あまたの新人記録を塗り替えてきた男も「本当にいいのかな」と目を丸くした。

使い道は「家族が一番応援してくれたので、年末に実家に帰って、ご飯に連れて行ければ」とほのぼのしている。物欲は「あまりない」が、10月に約1000万円の高級車アウディを購入。寮から同学年の山本の車に同乗していたが、来季から愛車で球場に通える。

新人野手史上最高評価に値する活躍だった。8月に新人で初のサイクル安打。「打率3割+20本塁打」は清原(西武)以来35年ぶり4人目。猛打賞14度で長嶋(巨人)に並べば、35二塁打は長嶋を抜いてセ・リーグ記録を樹立した。「最終的にこういう成績を残せた。でき過ぎかなと思う」と振り返った。年俸では、新人王を譲った栗林(広島=5300万円)や同学年のライバルで新人特別賞を同時受賞した佐藤輝(阪神=4200万円)も上回った。

打率3割1分4厘はリーグ3位で、首位打者(広島鈴木誠)に3厘差は新人史上最接近だった。鈴木誠は「同じ右打者で、率も残せている中でチャンスで強いし本塁打も打てる。あこがれです」。シーズン中も正面ティー打撃など練習を動画で研究していた。来季は「日本一を目指す。まずはリーグ優勝。個人としては今年の成績を少しでも上回ることを目指したい」。打点王、そして「まずは1億円プレーヤー」を狙う。【斎藤直樹】