DeNAで22年のブレークが予想されるのは、森敬斗内野手(19)だ。

高卒2年目は7月10日に1軍に昇格。翌日に今季初のスタメン出場すると、9回に右前打からプロ初盗塁を決め、同点のホームも踏んだ。一時は打率も3割を超えた。30打席無安打と不調に陥った時期もあったが44試合に出場。最終的に打率1割9分4厘に終わったが、チーム2位の4盗塁と俊足を披露した。また「鉄砲肩」というべき強肩は、既に球界でもトップクラスだ。

秋季トレーニングでは、巨人から加入した石井琢朗野手総合コーチが、マンツーマンで走攻守にわたって指導した。「ポテンシャルはすごくいいものを持っている。まだ2年が終わったばかりということを考えると、伸びしろにあった土台作りをできるように」。通算2443安打、358盗塁のレジェンドコーチは、自らの後継者となりうる豊かな素質を認めている。教えを受けた森は「今までの自分の感覚と変わった」と手応えをつかんだ。楽天から藤田一也が加入したことも、守備面の手本となる。

森の目標は高い。「開幕スタメンで1年間レギュラーとして頑張っていく」としながら、一気に盗塁王も目指す。「今年セ・リーグは(最多盗塁が)30ですよね。そこは目指して、それよりもっと多く走りたい」。DeNAの今季盗塁数は12球団最少の31。“琢朗2世”の活躍が待たれる。【DeNA担当=斎藤直樹】

【22年注目選手】連載まとめ

◆森敬斗(もり・けいと)2002年(平14)1月28日、静岡県生まれ。桐蔭学園では2年秋から主将。3年春には甲子園出場。同夏のU18W杯で日本代表として全8試合に出場。19年ドラフト1位でDeNA入団。50メートル5秒8。175センチ、78キロ。右投げ左打ち。