DeNAが今オフ、大盤振る舞いを続けている理由を三原一晃球団代表(53)が22日、明かした。球団は12球団最速で仕事納め。報道陣にオンラインで対応した。

オフに入ると大型契約、積極補強を連発した。国内FA権を取得した宮崎敏郎内野手(33)は、6年契約で年俸12億円プラス出来高で契約。来季にも国内FA権を取得する三嶋一輝投手(31)は、年俸変動制だが来季は1億2000万円で3年契約。同じく来季にも国内FA権を取得する桑原将志外野手(28)も、年俸変動制だが4年契約で来季は1億500万円で契約した。タイラー・オースティン外野手(30)とは、3年契約(4年目は球団オプション)の総額8億5000万円で契約を結び直した。

外部からは、日本ハムから自由契約となった大田泰示外野手(31)、楽天から戦力外となった藤田一也内野手(39)も獲得した。救援には現役メジャーのブルックス・クリスキー投手(27)も獲得した。また、石井琢朗、斎藤隆、鈴木尚典、相川亮二といった、現役時代に実績のあるOBコーチも呼び戻した。

コロナ禍がある中、なぜこれだけの積極支出するのか。三原代表は「昨年FAで2人選手が出ていってしまったのは小さくない出来事だった。そのことから、いろんな工夫をして、新たなやり方を考えて実行している」と理由を語った。昨オフは梶谷隆幸外野手(33)、井納翔一投手(35)がFAで巨人へ移籍した。交渉開始が遅かった。その反省をもとに、宮崎とはシーズン中から話し合いを開始。公式戦終了の翌日には契約合意を発表した。

もう1つの理由は単純だ。「今年の結果を受けて、来年こそはというか、三浦監督に万全な状態でスタートを切って戦ってもらいたいという思いです」。今季は6年ぶりの最下位に終わった。「ハマの番長」として人気抜群の三浦大輔新監督を立てながら、梶谷、井納だけでなく、パットンも退団。戦力ダウンした状態でバトンを託してしまった。外国人の入国も12球団で最も遅れた。外国人がそろわない4月に2桁の借金を抱えたことが、最後まで響いた。

今年でDeNAは球団を保有して10年が経過した。NPBに預けた加盟料で30億円のうち、25億円が戻る。これが補強の原資ではという見方には「関係ありません」と話した。コロナ禍でも黒字経営で、来季からは観客数を増やせる見通しも影響している。

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救援投手の補強は今後も続けるという。「うちの補強ポイントになっている。クリスキー1人で終わりではなくて、今後もできることは考えていきたい。野手陣は藤田、大田と実績のある選手を補強できたので投手陣になるのかなと思う」。24年ぶりの優勝へ、万全な態勢を整えていく。【斎藤直樹】(金額は推定)