藤川流の投球術で、ローテ争いに名乗りを上げる。日本ハム吉田輝星投手(21)が13日、2軍キャンプ地の沖縄・国頭でブルペン入り。捕手を座らせて49球を投げ込んだ。10日に取材で訪れていた元阪神の藤川球児氏からアドバイスをもらった吉田は「教わったことを意識しながら投げました」とブルペンを振り返った。

藤川氏の指導を受けて、特に意識していることはリリース位置とボールの縦回転。「上からたたきつけるイメージ。縦回転のボールになると、いい球がいくのもあるし、真上からリリースするので、肘が下がらない。その分だけ打者もボールの出どころが見えにくくなるので、高めに手が出てしまったり、低めがボールに見えて手が出なかったりする」と狙いを話した。元々は縦回転のボールを投げていたが「高校の時に横回転にしてみて、それで結果が良くなったので、1歩踏み出せずにいたけど、藤川さんも成功する前は、そういう投げ方だったと聞いてチャレンジしてみようと思った」。

習得に向けてクリアしないといけない課題も多い。「マウンドみたいに傾斜があると、右から左足に体重を入れ替える時に、横回転が入ってしまったりとか、縦回転を意識し過ぎてキャッチャー方向に体が前に前に流れてしまったりする」と試行錯誤を重ねている。「メカニックは100%理解できましたけど、そういう投げ方をするにはどうすればいいか。安定して出せるようなポイントを早く見つけたい」と目標を掲げた。

キャンプイン直前に新型コロナの陽性判定を受け、7日に復帰したが、2軍での調整が続いている。「スタートで遅れてしまいましたけど、焦ってケガはしないよう抑えながら。昨日名護に久しぶりに行って、活気があって楽しそうだなと思ったので、早くあの雰囲気で野球がやりたい」と早期での1軍合流を目指す。「フォームを意識しないでも投げられるくらい固めて、開幕からローテに入っていけるよう準備してアピールしていきたい」。藤川塾の教えを生かして、進化した姿を見せる。【小林憲治】