巨人の「1号」を主砲が決めた。巨人岡本和真内野手(25)が西武とのオープン戦で1号ソロ。4回無死一塁、西武今井の149キロ直球をリニューアルした“新・東京ドーム”のバックスクリーンに放り込んだ。練習試合を含む対外試合は8試合目でチーム初本塁打。2年連続のリーグ本塁打キングのバットが仕上がってきた。

【ニッカン式スコア】巨人-西武詳細スコア

リニューアルオープンした東京ドームで祝砲を打ち上げた。岡本和が一振りで決めた。西武今井の外角低め149キロ直球を悠々と捉えた。ゆったりとした理想的なフォームで白球をバット軌道に乗せた。両手に残る感触を「今年初の東京ドームで身が引き締まる思いでした。その中で1発で仕留められて良かったです」と振り返った。

我を貫く度胸と、耳を傾ける柔軟性を併せ持つ。1発を見舞い、ベンチに戻ると、ノートを取り出し、ボールペンを走らせた。打撃のみならず、6回の守備終了時にも再び、ペンをとった。自身がグラウンドで収集した情報を書き込んだ。

左腕に見慣れない色のリストバンドを装着した。オフ期間に出演したテレビ番組内の占いで今年のラッキカラーは「紫と茶」と診断された。すぐに用具メーカーに連絡して、紫色のリストバンドをオーダー。グラブにも同色を施した。

宮崎、那覇での春季キャンプは、若手の1人としてグラウンドを走り回った。連日、ユニホームを泥だらけにし「しっかり、ここで疲れようと思ってやっている。いい感じです。背中で引っ張る? 自分で言うもんじゃないんで」。鍛錬の期間と肝に銘じて、体をいじめ抜いた。

帰京後の初戦は今季本拠地初戦でもあった。新しく生まれ変わった本拠地・東京ドームのトレードマークのど真ん中を射抜いた。横幅125・6メートルと国内球場最大規模のフルカラーLEDビジョンの目前まで迫った。6回2死の3打席目は空振り三振に倒れるも「テーマを持って打席に立てているので継続して開幕までにしっかりと仕上げていきたいです」とうなずいた。

セ界の本塁打キング大本命が、存分に期待感を示した。【為田聡史】