東芝が完封でJR九州を下し、04年以来18年ぶり11度目の優勝を果たした。

2回までに奪った6点を、先発した今秋ドラフト候補、最速153キロ右腕の吉村貢司郎(こうじろう)投手(24=国学院大)が守り切った。9回6安打10奪三振で無失点。完封の投球を「今日はストレートで空振りが取れました。うれしい気持ちもありますが、ここからが始まりなので気を引き締めたいです」と、冷静な表情で振り返った。

一塁方向に足を蹴り出す独特のフォームから、この日最速148キロの直球とフォーク、カーブを織り交ぜ相手打線を封じ込んだ。この日の午前中から行われた準決勝でも抑えとして登板。“中4時間での連投”となったが「特に意識はしませんでした」とさらりと言ってのけた。

平馬淳監督(46)は同大会を選手と指揮官、両方での制覇となった。「選手が活躍する姿を見られてうれしいです」と安堵(あんど)の表情を見せるとともに、大会MVPにも輝いた吉村の投球を「昨秋くらいからずっと良いんですよね。気持ちの面でむらがなくなりました。今日もいい投球をみせてくれたと思います」とたたえた。

この日の勝利で東芝は日本選手権(10月開催予定)の出場権を獲得。チームも吉村も、22年シーズンの好スタートを切った。