広島西川龍馬外野手(27)が2戦連続の逆転決勝打で、開幕4連勝に導いた。1-2の9回1死満塁から右越え2点適時打。本拠地開幕戦を逆転サヨナラ勝利で飾った。「神」とたたえる好調上本と、代打で存在感を発揮する長野がお膳立てした好機に、開幕4戦連続安打と好調なバットマンが試合を決めた。4番手の矢崎に5年ぶりの白星がついた。佐々岡体制では最多の貯金4で、リーグ単独首位となった。

【ニッカン式スコア】29日の広島-阪神戦詳細スコア

打った瞬間、勝利を確信した。1点ビハインドの9回だ。チームメートがつないでつくった1死満塁の好機に、また西川が応えた。代わったばかりの湯浅の直球を捉えた打球は、前進守備の右翼手を大きく越えた。一塁ベースを回ると、待ち構えた長野と抱き合い、喜びを爆発させた。自身2戦連続の決勝打で、チームを開幕4連勝に導いた。

「先輩方がつないでくれたので、何とか仕事しようといきました。横浜からいい流れで来られたと思うので、まだまだ始まったばかりですけど、続けていきたい」

チームメートの姿に燃えた。2死二塁から6球ファウルで粘って四球を選んだ上本がガッツポーズを見せると、続く代打長野は内野安打をもぎ取った。逆転勝利した27日DeNA戦と同じ2選手のチャンスメークに、再び西川が勝負を決めた。開幕から切り込み隊長として4得点を記録するだけでなく、7打点と大きな得点源となっている。

状態の上向きは、1つの三振がきっかけだった。8日の阪神とのオープン戦。この日対戦した西勇から喫した空振り三振にある。「いつもなら悔しくてたまらないんですけど、あのときはつかんだ気がして、ヨシと思った」。昨季までの「動から動」のフォームから、重心を落として「静から動」に変えた。今季はここまで打率3割8分9厘と、昨季までのスロースターターから生まれ変わったような好発進だ。

好調西川に引っ張られるように、チームは開幕4連勝。佐々岡体制では最多貯金となった。指揮官は「(上本が)あの粘って粘ってのガッツポーズ、素晴らしかったですね。長野つないだ中で、龍馬も今、一番頼りになる打者。いい攻撃でした」と横浜の歓喜を再現したナインをたたえた。

下馬評が低かった中での好発進でセ・リーグ単独首位。昨季1度しかなかったサヨナラ勝利を3年ぶりの大入りとなった本拠地開幕戦で決めた。【前原淳】

▽広島が9回1死満塁から西川の2点タイムリーで逆転サヨナラ勝ちした。これで開幕4連勝。広島の開幕4連勝は18年以来。同年は5戦目に敗れたが、その後も勝ち星を伸ばし、最終的には2位ヤクルトに7差をつけてリーグ3連覇を果たした。開幕4戦目で単独首位も同年以来。