阪神大学野球連盟に加盟する追手門学院大(2部西リーグ)の新監督に、近鉄でプレーした加藤正樹氏(56)が就任することが30日、分かった。

同氏は「大学生を指導するのは初めてですが、社会人野球の指導者も経験してきたので違和感はありません」とした上で「野球の技術で上達することも大切ですが、社会に出てから役立つような人間に育ってほしいです」と意気込みを語った。

1983年(昭58)に野球の名門だったPL学園時代に夏の甲子園大会で全国制覇を成し遂げた。桑田真澄、清原和博の「KKコンビ」の2学年上の選手として活躍する。

早大を経て、87年に仰木彬監督だった近鉄にドラフト外指名を受けて入団。左打ちのシュアな打撃と堅実なプレーを買われ、プロ1年目の88年シーズン途中に1軍昇格を果たした。

その年の仰木監督が率いた近鉄は西武と激しい優勝争いを演じた。加藤氏はプロ野球史に伝説として語り継がれている名勝負「10・19」の修羅場も経験した。

95年シーズンを最後にユニホームを脱いで球団フロント入り。広報担当などを歴任し、01年に梨田昌孝監督でパ・リーグ優勝を達成したチームをアシストした。

近鉄球団が消滅後は、マネジメント会社を設立。19年から社会人野球バイタルネット(新潟市)で監督を務め、21年をもって退任していた。

阪神大学リーグは、中日松葉貴大、巨人大勢両投手に、上原浩治、村田透(いずれも巨人)がドラフト1位で、楽天育成1位の宮川将ら“ドラ1”を輩出。楽天2位の酒居知史投手らも活躍している。

監督に就任したばかりの加藤氏は「まずは学生たちと一緒に1部昇格を目指して頑張りたいと思っています」と新天地に希望を膨らませた。