阪神佐藤輝明内野手(23)が、2試合連続タイムリーと奮起した。「4番右翼」で先発出場。1点リードの5回2死二塁。1ボールから広島玉村の内角143キロ直球を引っ張り、右翼線へ痛烈にはじき返した。「先頭の近本さんが塁に出て、チャンスの場面で回してもらったので、絶対にホームまでかえしたいという思いで打ちました」。苦しいチーム状況の中、若き主砲がバットで打線をもり立てた。

開幕5連敗を喫した前夜の広島戦では、劣勢の中で最後に意地をみせた。7点ビハインドの9回1死一、二塁で右前適時打をマークした。開幕戦のヤクルト戦では3安打1打点と大暴れ。そこから快音は鳴りをひそめていたが、自身4試合19打席ぶりのタイムリーはチーム41イニングぶりの適時打となった。きっかけをつかんだのか、この日は3回2死から詰まりながらも中前打を記録。4試合連続安打に加え、5試合ぶりのマルチ安打を記録するなど、状態は上向きだ。

オープン戦では打率3割2分7厘、2本塁打、11打点と暴れ回り、2年目ながら「開幕4番」の座を勝ち取った。佐藤輝は「キャンプ、オープン戦と調子が良くて、ずっと調子がいいのは無理だと思う。悪いなりにちょっとずつ上げていければ」と割り切り、2年目のシーズンに臨んでいる。

ルーキーイヤーの昨季は開幕2戦目でプロ1号が飛び出した。本塁打の量産態勢にはまだ入っていないが、怪物スラッガーがチームの苦しい流れを変える。【古財稜明】