日本ハム松本剛外野手(28)が、BIGBOSSの初白星を勝負強い打撃で呼び込んだ。2番左翼でスタメン出場し、猛打賞となる4打数3安打2打点。左前打で出塁した3回にチーム3点目のホームを踏み、5回と7回にはともに得点圏に走者を置いた好機で追加点となる適時打を放った。若手も台頭する外野陣で、11年目28歳が存在感を見せた。

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ウイニングボールをキャッチした日本ハム松本剛は、BIGBOSSに手渡した。「ありがとう!」とうれしそうに受け取られ、価値ある1勝の重みを実感した。「チームのために、という思いが強い」。選手間での「何とか札幌で1勝を」を合言葉に、伏兵が大仕事をやってのけた。

1点差に詰め寄られた直後の5回無死一、三塁。フルカウントからの8球目、130キロの変化球を思い切り引っ張った。左前適時打に、右拳を突き上げた。「もう1本打ちます!」。続く打席は2点リードの7回無死満塁の絶好機。大きな追加点となる中前適時打で有言実行の快音を響かせた。

1試合2打点以上は20年9月18日ロッテ戦以来。チーム唯一の3安打猛打賞をマークし、新庄監督の初勝利に貢献した。今季は走塁でも存在感を見せている。「失敗を恐れるな、という後押しが大きい」と思い切りの良いスタートが切れている。

外野の定位置争いは万波や浅間、故障中の五十幡らで混戦。投打の主力を担う上沢、近藤とは入団同期。「近藤と一緒になって、チームを引っ張って行ければ」。覚悟を決めたプロ11年目、満を持して飛躍へのシーズンを走り始めた。【田中彩友美】