阪神大山悠輔内野手はもちろん、最後の1球まで7連敗阻止へ必死だった。

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3点を追う9回2死二塁、ファウル5球を経ての2ボール2ストライク。巨人の新守護神、ドラフト1位大勢の失投に食らいついた。外角要求のフォークがやや内寄りに入る。体勢を少し崩しながらも強くバットで拾い、左翼席にライナー性の飛球を届かせた。

敗色濃厚ムードでの今季1号2ランは、虎の22年クリーンアップ初アーチ。「諦める理由がない。諦めてやっている人なんて誰もいない。あのまま終わるのと、1点差で終わるのとでは絶対に違う。自分にとってもチームにとっても、いい1本だったとは思います」。最後は1点及ばずの惜敗。それでも主砲は仲間を鼓舞するように、前向きな感情を言葉に変え続けた。

開幕戦から7連敗。この間、大山は7戦連続安打を記録している。「この(9回の)1本がチームの流れを変える、チームを勇気づける1本になってくれればいい。苦しい状況ですけど、前を向くしかない。下を向いても仕方がない。もちろん反省はしますけど、また明日が来る。チーム一丸となって戦いたい」。この日は7回にも中前打。次戦こそ快音を勝利に結びつけたい。【佐井陽介】