阪神高山俊外野手が公式戦で551日ぶりに安打を放った。

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2年ぶりに1軍に昇格し、5回に代打で登場。その名が場内にアナウンスされた瞬間、メガホンのたたく音がこの日一番響いた。相手は明大の後輩森下。カウント0-1から113キロカーブを捉えて中前に運んだ。「久しぶりにたくさんのファンの前で野球をすることができて、素直にうれしかったです」と喜んだ。

16年の新人王も苦しい時を過ごした。2年目以降は下降線をたどり、昨季はプロ6年目で初の1軍出場ゼロに終わった。それでも腐ることなく、今季ウエスタン・リーグで11試合に出場し、打率3割2分5厘を記録。前日8日の広島戦では3安打し、「出番が来ると信じてやるしかないんで」と話していた。20年10月5日巨人戦以来となる1軍戦のヒットで、スタメン出場をアピールした。

矢野監督は「気持ちがね。やっぱり何とかしたい気持ちがすごく出ていたし。初打席でヒットっていうのもね、俊にとっても大きな1本だと思う。あいつ自身もチャンスを広げていく立場に現状はあるので」と評価した。チームは苦境が続くが、高山は「チームの勝利に貢献して、今日のような素晴らしい声援をいただけるように頑張ります」と誓った。【三宅ひとみ】