広島先発の床田寛樹投手(27)が6回までに7安打を浴びながら1失点に抑え、今季2勝目をマークした。6回、浜田にソロを浴びて自身15イニングぶりに失点したが、開幕から登板3試合続けて最少失点でしのいだ。本調子でない中、粘投の左腕に野手陣も攻守でもり立て、松山でのヤクルト戦連敗を4で止めた。首位巨人も勝ったが0・5差でピタリ追走だ。

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堅い守りが施され、難攻不落と言われた松山城のように、床田は6回まで7安打を浴びても崩れなかった。今季効果的な球種となっているパームを序盤から巧みに使い、ツーシームの感覚が悪くなった中盤以降は他の球種と制球力でカバーした。昨季は9試合も要した2勝目を今年は3試合目でゲット。松山でヤクルトに4連敗を喫していた悪い流れも断ち切った。

「野手が点を取ってくれて、僕は6回で降りたけど、中継ぎの人もしっかり抑えてくれた。みんなで勝ってくれたという感じです」

開幕から登板3試合連続1失点以下の投球も、勝利はチームメートに感謝した。2回までの完全投球から一転、3回以降は毎回走者を背負った。「ちょっとツーシームが狂っちゃって、そのままズルズル行っちゃった」。得意球を操れない中でも、2つの併殺を奪うなど5回まで無失点。4点リードの6回、浜田にソロを浴びて自身の連続無失点が14イニングで止まったが、追加点は許さなかった。

前回登板の6日巨人戦では序盤あまり使わず、中盤から増やしたパームをこの日は序盤から織り交ぜた。バッテリーを組む会沢は「慣れない球場なので、出し惜しみせず使っていった」と、松山仕様の組み立てで燕打線を惑わせた。

昨季セ王者のツバメ軍団でも、床田の牙城は崩せなかった。反対に広島は野手陣は2桁安打で援護射撃。守備でもヤクルトの3失策に対し、4試合連続無失策の堅い守りでもり立てた。佐々岡監督は「調子が良くない中で、こういうふうに試合をつくれるのは今年、成長しているところです」と4本柱の1人に進化した左腕に目を細めた。この日も勝った首位巨人を0・5差でピタリ追走。指揮官が目指す「投手を中心とした守り勝つ野球」でペナントレースの天下取りを目指す。【前原淳】