阪神が連敗街道から脱出した。6連敗中だった負の流れを断ったのは、2試合連続で2番に入った佐藤輝明内野手(23)だ。1点を追う5回2死二塁。巨人先発菅野のスライダーをすくうと、ライナーで右翼席に運んだ。4号逆転2ランで勝負の流れを変えた。8回にはロハスが2号2ランを放ちリードを広げた。

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新型コロナウイルス感染のため、開幕投手を回避していた今季初登板初先発の青柳晃洋投手(28)が力投で今季初勝利を挙げた。

負けていれば勝率はついに5分台(5分9厘)に突入、首位巨人と11・5ゲーム差に広がっていた。阪神は球団史上、2桁ゲーム差を逆転して優勝したことがない。危機的な状況に追いつめられていたが、ようやく今季2勝目。今季初の甲子園での「伝統の一戦」で踏みとどまった。

 

◆過去の主な2桁ゲーム差逆転メモ

▼土壇場で大逆転 63年西鉄は7月に南海に最大14・5ゲーム差をつけられたが、怒濤(どとう)の追い上げで10月8日に首位に。15、16日の直接対決は1勝1敗で、南海は17日に勝って首位で全日程を終了。それでも西鉄は19、20日の近鉄とのダブルヘッダーで4連勝し、プロ野球最大差の逆転Vを達成した。

▼「メークドラマ」 巨人は96年に最大11・5差を逆転し優勝。長嶋監督はどんな状況でも「まだ分からない。メークドラマを演じてみせます」と話し、名せりふとして流行語大賞に選出された。

▼「メークミラクル」 08年巨人は、7月9日に首位阪神に13差の3位だったが、9月に12連勝するなどでセ・リーグ最大ゲーム差の逆転Vを果たした。

▼15連勝 16年の日本ハムは6月半ばに首位ソフトバンクに11・5差をつけられたが、そこから球団記録となる15連勝するなどで猛烈に巻き返し、逆転優勝した。