4月のハマスタで「まさか」が起こった。阪神の先発西勇輝投手(31)が5回途中8安打5失点でKOされ、今季初黒星を喫した。5日にチームの開幕からの連敗を「9」で止め、完封勝利を挙げた相手に打ち込まれた。3月29日広島戦の4回から続いていた連続イニング無失点も、阪神移籍後では最長の20回2/3でストップした。4点のリードを守れず負け投手になったのはプロ初の屈辱だ。

【ニッカン式スコア】19日のDeNA-阪神戦詳細スコア

試合前の時点で両リーグトップの防御率0・40を誇った右腕が踏ん張れなかった。序盤に味方打線が奮起し、2回までに4点を先取。しかし2回無死一塁から3連打を浴びるなどして2失点。4回は先頭宮崎、大和に連続二塁打を浴び3点目を献上。2死三塁から代打藤田に右前打を許し、同点とされた。5回は1死一、二塁から宮崎に左中間オーバーの適時二塁打で勝ち越しを許したところで降板した。矢野監督は「芯で捉えられているケースも多かった。ベース上の球のキレというのが、本来の感じじゃなかったんやろうなとは思うけど」と指摘した。

敵地で勝てない…。チームは2連敗で、ビジターでは開幕から勝ちなしの10連敗となった。序盤に4点を奪いながらも3回以降2安打に終わった。矢野監督は「かみ合ってないんでね。点を取る方も1、2回、点を取ってそこから…。ヒットもね…。2本か? ぐらいしか、たぶん出ていない。(中盤以降で)押し返せると全然流れも変わるんだけど。そこの課題は現状残っているんで」と頭を抱えた。

好条件も味方しなかった。4月の横浜でのDeNA戦は16年4月2日から勝ち続けていたが、連勝は12でストップ。矢野監督も7試合目で初黒星となった。1点差での敗戦は今季8度目と、接戦で勝ち切れていない。借金は今季ワーストの14へ逆戻りとなった。まだまだ泥沼から抜け出せない。【古財稜明】