「反撃の巨人」がさく裂した。首位攻防の広島3連戦第2ラウンドは、逆転勝ちで連勝とカード勝ち越しを決めた。3点を追う6回に岡本和真内野手(25)が、天敵床田からの2点適時打で反撃開始。1点差に迫った8回は新外国人グレゴリー・ポランコ外野手(30)が、右翼線にしぶとく打球を落とす2点適時打で試合をひっくり返した。両リーグ最速で15勝に到達し、うち9試合が逆転勝ち。今季2度目の3連勝で首位を堅守した。

【写真たっぷりライブ速報】セ首位攻防は巨人が広島に連勝

5回までの沈黙は逆転への助走だった。3点を追う6回2死二、三塁。岡本和は集中力を研ぎ澄ませた。連続21イニング得点できていない広島床田を前に、カウント1-2と追い込まれた。タイミングを外して三振を奪いにきた4球目は、外角高めの119キロパーム。球界で投げる投手はほぼいない“魔球”に必死で食らいつき、中前へ2点適時打を放った。

「前の打席で打てず、何とかランナーをかえすことに集中した。タイムリーが打てて良かった」。5回まで坂本の1安打のみだった打線がこの回、3安打2得点で1点差に詰め寄った。

天敵床田を降板させる-。逆転勝ちした6日の広島戦と同じ構図だった。8回1死で1番吉川尚が右翼線に二塁打を放ち、床田を降ろした。「反撃」の舞台は整った。

広島島内の代わりばなを一気にたたく。1死二、三塁で新外国人の3番ポランコが、外角低めに落ちる126キロのチェンジアップに体を泳がせながらも、右手1本で右翼線へ2点適時打。少ないチャンスを確実にものにした。9試合の逆転勝ちは2位広島(6試合)を大きく離し、12球団ダントツだ。

ポランコは「難しい球だった。長打を狙うより、良いコンタクトをしようと。結果、自分は長い腕を持っているから届いて、長打を打つことができた」と満足そうに振り返った。チームになじもうと、仲間との会話から日本語を習得しようと努力してきた。決勝打でお立ち台に上がると覚え立ての日本語で、「サイゴマデ アキラメマセン サイコー!」と絶叫。ファンの心もつかんだ。

1、2番がチャンスをつくり、3、4番がきっちりかえす理想の形で首位攻防を連取した。新助っ人ですら自然と口をつく。「反撃の巨人」は諦めることを知らない。【三須一紀】

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▽巨人原監督(逆転勝ちでの3連勝)「(ポランコは)いい気持ちで打席に立つことができたと思いますね。ああいう場面で逆転タイムリーを打てるのは非常にチームにとっても大きかったと思いますね。(岡本和は)必死になって食らいついてセンター前に打った。これは今後につながることではあると思います」