奇襲による揺さぶりも、勝利にはつながらなかった。日本ハムは延長の末、逆転負け。それでも、BIGBOSSは「負けはしたけど楽しいゲームを見せられた」と、充実感すら漂わせた。

鮮やかな攻撃で、難攻不落の相手エース山本から先取点を奪った。4回無死一塁で4番松本剛。バントの構えで内野手の注意を引いて、カウント2-1からの4球目。打球は前に出ていた三塁手の頭をふわりと越えて、左前に落ちた。無死二、三塁と好機を広げ、5番石井が先制の右前適時打。さらに、二盗を狙った一走の石井がスタートを切り、オリックスの捕手若月が二塁へ送球した隙に、三走の松本剛が2点目のホームを駆け抜けた。

山本からの3連打は、昨年5月28日のヤクルト以来。今月2日の対戦では、7回5安打無失点に封じられていただけに、新庄監督は「山本君から2点を取ったことは、成長でしょ」。3連敗で2桁借金は目前も、前進するチームに手応えを感じていた。