巨人がナカジの“オヤジ満弾”で完勝した。中島宏之内野手(39)が球団史上最年長満塁弾を放ち、首位をがっちりと守った。両チーム無得点の4回1死満塁から左中間席に運ぶ、今季1号グランドスラム。阿部慎之助(現作戦兼ディフェンスチーフコーチ)の39歳5カ月を抜く、球団最年長記録を打ち立てた。

   ◇   ◇   ◇

こん身の打球が横浜の夜空に消えた。巨人ベンチの若人たちが一斉に立ち上がった。原監督も大きな目を見開いた。4回1死満塁。中島がDeNA坂本のフルカウントからのど真ん中チェンジアップを打棒に乗せた。確信を持って、ゆっくりとダイヤモンドへ駆けだす。左中間席への1号満塁弾に「おいしい状況やし、得点を挙げる確率は上げていけるなという思いで(打席に)入ってますけどね」と一振りで勝負を決めた。

39歳8カ月27日でのグランドスラムに“脱オヤジ力”が込められていた。チーム最年長は若々しさを保つ。「年齢どうこうとか言われんように。打席立ったら年齢は関係ない。気持ちは常に若い。打席行ったら常に打ちたいし、守っててもアウトにしたい」とシンプルに一打、1アウトにこだわる。

年輪を重ねてきた経験はより深く、確固たる姿勢につながる。一戦必勝の大原則の中で「チャンスで(打席が)きたら、嫌やなという思いはない。周りを見て、状況とかピッチャーとのタイミングは常に大事にして。若いときから、ここで打ったろうみたいな」とポジティブなイメージだけが脳内を支配する。

関西弁のイケてるオヤジは、グラウンド内での中間管理職を担う貴重な存在として重宝されている。原監督は「技術もパワーもメンタルも、まだいいものが満ちあふれていますね」と絶賛。さらに「表のリーダーは勇人だろうけど、ナカジは、そのリーダーを支える裏のリーダー的な存在だと思いますね。僕も、彼がいることによって選手と監督と中間的な部分では非常に心強い選手ですね」。40歳目前のナカジは、まだまだ若い。【為田聡史】

【関連記事】巨人ニュース一覧>>