阪神4番の佐藤輝明内野手(23)が5月反攻を宣言した。チームは借金12で最下位に沈むが、直近14試合は6連勝を含む9勝5敗で上昇を実感。「粘って勝っていきたい」と、まずは10日から甲子園で戦う今季0勝5敗1分けの広島戦を勝ち切り、大逆襲に転じる意気込みだ。右足のコンディション不良で離脱していたジェフリー・マルテ内野手(30)も3番一塁で復帰予定。約1カ月半ぶりに復活するベスト布陣で猛打の進撃だ。

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佐藤輝の目はぎらついていた。チームは借金12で依然、最下位に沈む。だが本当の勝負は106試合も残っているこれから。力強く、5月反攻を宣言した。

「確実にチームはいい感じになってきている。全員で粘って勝っていきたい」。直近14試合は投手陣の踏ん張りもあり6連勝も含めて9勝5敗と大きく白星が先行。一時のどん底は完全に脱し、チーム状態は確実に上向いている。8日の中日戦では自身のヒットも口火に、今季初の7回以降の逆転勝ちを決めた。1度つかんだ流れを手放さす、さらに白星を量産していく。背番号8は表情を引き締めた。

10日からホームで3連戦を戦う広島には今季、0勝5敗1分けで1度も勝てていない。だが佐藤輝は対戦別で今季打率3割3分3厘、3打点とDeNAと並び一番得意にしている相手だ。10日先発予定の左腕床田からは昨年4月15日の対戦で甲子園のバックスクリーンへ特大2ラン。「DAZNバックスクリーンホームラン賞」の100万円をゲットしたこともある。2戦目予定の九里からも昨季は本塁打を放つなど相性はいい。上位浮上へ、鯉を天敵にしないためにも、バットで勝利を導く意気込みだ。

頼もしい相棒も帰ってくる。右足のコンディション不良で離脱していたマルテが10日から約1カ月半ぶりに1軍復帰する。助っ人は即3番一塁でのスタメンが濃厚で、4月1日の巨人戦以来、31戦ぶりに3、4番コンビを組む。1番近本、2番中野の快足コンビが出て、選球眼抜群のマルテでチャンスを拡大。そして佐藤輝がかえす。今季のベストオーダーともいえる上位打線が復活する。マーク分散で、佐藤輝もより楽に打席に立てる。

矢野監督は7日の試合後、佐藤輝について「チームの中心になりつつある成長をしている」と存在の大きさを明かした。2年目の今季は、勝敗を左右する男になった。まずは鯉料理で5月反攻の口火を切る。【石橋隆雄】

 

▽阪神井上ヘッドコーチ(マルテに期待)「ちょっと(攻撃の)流れがあまりよくない。またジェフリーに一役買ってもらう形で、活発化すればと思っています」