阪神は26日にも自力優勝の可能性が消滅する。「日本生命セ・パ交流戦」の楽天戦で、西純矢投手(20)が5回4失点で今季初黒星を喫した。課題の「1発病」を克服できず、痛恨の2被弾に沈んだ。昨年から続く交流戦の連勝は「7」でストップ。2戦連続サヨナラ勝ちの首位ヤクルトと11・5ゲーム差となり、窮地に立たされた。

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阪神大山悠輔内野手が孤軍奮闘した。2回、先頭で左腕辛島のチェンジアップを豪快にすくい上げた。きれいな弧を描いて左翼席に飛び込む8号ソロ。先制に成功した。

「早い段階で点を取って(西)純矢を援護したいと思っていました。追い込まれていましたが、浮いてきた変化球を一発で仕留めることができてよかった」

西純が先発した試合は8日中日戦、18日ヤクルト戦に続いて3試合連続で本塁打。相性の良さに西純は3本の指を見せて、ベンチに戻った先輩に感謝した。若きエース候補を援護する1発だったが、得点はこの1点だけ。空砲になった。

5点を追う最後の攻撃。楽天は抑えの松井裕を出してきた。絶望感が漂う甲子園だったが、大山はスライダーをたたいて左翼線に安打。点にはつながらなかったが、チーム唯一のマルチ安打。頼もしい5番打者の姿に、ストレス満載の虎党は留飲を下げたに違いない。

10日からほぼ5番に固定。前日チーム単独トップになった打点を26とした。マルテの再離脱が濃厚になり、佐藤輝との4、5番コンビが機能しなければ苦しくなる。背番号3の双肩にかかる責任と期待は、さらに大きくなった。【柏原誠】

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