初出場の千葉経大が、近大工学部に逆転負けを喫した。

ドラフト候補に挙がる最速150キロ右腕・高坂綾投手(4年=流通経大柏)にとっては、悔しい全国デビューとなった。

3-2とリードした6回に2番手としてマウンドに上がったが、初めての全国のマウンドに「1点も与えてはいけない、という気持ちが強すぎて空回りしてしまった」と、プレッシャーに手元が狂った。変化球が指にひっかかり、5四死球に2暴投で3点を献上。1点のリードを守り切れず、逆転を許した。4回を投げて打たれたヒットはわずか2本も、6四死球、2暴投で3失点。最速148キロをマークはしたが「今までこんな投球は初めてです」と肩を落とした。

ベンチからは高橋一真監督(34)の声が飛んだ。「足をゆっくり上げていいよ」。「間隔を開けてもいいよ」。気持ちが動転していたという高坂の耳には届かず、修正することもできなかった。「なんでこんなミスをしちゃったんだろう…。今までできたことなのに…って、引きずってしまいました」。大舞台の怖さを痛感した。

この悔しいマウンドを糧にする。「結果としてはあまりもいい思い出ではないんですが、次はやり返してやろうという気持ちで頑張りたいと思います」。精神的に強くなってもう1度、全国の舞台に戻る。